頭の中が整理できず、相談相手もいない状況で悩む人は多くいます。私自身も同様の経験があり、臨床心理学を学ぶ中で様々な方法を試しましたが、解決には至りませんでした。
しかし、ジャーナリングという方法に出会い、救われました。
ジャーナリングとは、一定の時間内に頭に浮かんだことをありのままにノートに書き出す手法で、「書く瞑想」とも呼ばれます。マインドフルネスやメンタルヘルス向上などの効果が期待でき、注目を集めています。
ジャーナリングでは、よく紙のノートが使用されますが、私はiPadを活用した独自の思考整理法を実践しています。
この記事では、頭の中が整理できない原因を探り、さらに、iPadを使った悩みの整理術を紹介しています。
この方法を試すことで、頭の中をスッキリさせ、毎日を清々しい気持ちで過ごすことができるかもしれません。悩みを抱える方々に、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。
頭の中がごちゃごちゃしていてツラい原因3つ
頭の中が整理できずに悩んでいる方には、共通する特徴があります。以下の3つの原因が、頭の中を混乱させている可能性が高いです。
悩みを相談/気軽に話せる相手がいない
多くの人が、悩みを気軽に相談できる相手がいないことに苦しんでいます。そもそも、気軽に相談できる相手がいればこのようなブログを読んだりはしていないでしょう。
友人関係が希薄になったり、職場での人間関係が上手くいかなかったりすると、気軽に話せる相手が減ってしまいます。その結果、悩みを一人で抱え込んでしまい、頭の中が整理できなくなってしまうのです。
頭の中で解決しようとしている
気軽に相談できる相手がいないと、頭の中だけで問題を解決しようとしてしまいがちです。
しかし、これは非常に効率が悪く、むしろ悩みを増幅させてしまう可能性があります。
人は1日に1.2万~6万回思考しており、そのうち約8割がネガティブな内容、約9割が前日と同じ内容を繰り返しているというアメリカ国立科学財団の研究による結果が出ています。
また、心理学では「ネガティビティ・バイアス」という言葉もあります。人はポジティブなことよりもネガティブなことのほうが強烈に記憶に残るという性質を指す言葉です。
つまり、頭の中だけで考え続けると、同じ思考のループに陥り、特にネガティブな思考の悪循環から抜け出すことが難しくなるのです。
放置された問題が悩みを呼ぶ
解決できない問題を放置していると、それがさらなる悩みを生み出す原因となります。小さな問題が積み重なり、やがて大きな問題へと発展してしまうのです。
この悪循環を断ち切るためには、問題を整理し、一つずつ解決していく必要があります。
なぜ、書くことで思考整理ができるのか?
私は、悩みの整理には、とにかく「書くこと」をおすすめしています。
大学で心理学を専攻していた際に、「書くこと」によって、精神的健康が促進されるという研究論文を目にする機会がありました。有名なのは、アメリカの心理学者ジェームズ・W・ペネベイカー(1986)による「筆記療法」という心理療法です。
他に、橘内・金丸による「日記による「もつれた怒り」の低減(2018)」という論文では、長期間持続している怒りという感情に焦点をあてて、書くことによって長期の複雑な感情に低減効果がみられたと示しています。
今回,もつれた怒りを思い出し,その出来事に付随する記憶を書き続けることで,記憶が整理され,本人にとってほぼ事実に近い全体像を,もう一度捉えなおすことができた人も多い。それがもつれた怒りを解いていく最初の一歩と考えられる。
日記による「もつれた怒り」の低減(2018)/ 橘内久美・金丸隆太
怒りだけでなく、他の感情に対するアプローチでも言語化による効果が認められており、日記を書くことで感情の経験を言語化し、整理することができるといったものです。これは、他者に話すのと同様の効果があります。
私は、この「書くこと」をiPad上で行って、思考のモヤモヤを断ち切るようにしています。
【実例】iPad思考整理術で頭のモヤモヤを取り除く方法5STEP
ここからは、iPadを使って頭の中を整理する具体的な手順をご紹介します。
iPad思考整理術で使用するツールは、以下の3つのツールです。
- iPad
- ノートアプリ
- マインドマップアプリ(私は、EdrawMindというアプリを使用しています)
私がいつもどのように思考を整理しているのかを実例画像付きでご覧ください。
この5つのステップを実践することで、頭の中のモヤモヤを効果的に取り除きましょう。
STEP1 ノートアプリにとにかく悩みを吐き出す
まずは、iPadのノートアプリを開き、頭の中にある悩みや不安をすべて書き出します。この時点では整理する必要はありません。思いつくままに、書き連ねていきましょう。これにより、頭の中にあるモヤモヤを外部化し、客観的に見ることができるようになります。
STEP2 悩みをテーマごとに分類する
次に、書き出した悩みをテーマごとに分類します。
例えば、「仕事」「人間関係」「健康」「将来」などのカテゴリーを作り、それぞれの悩みを適切な場所に振り分けていきます。この作業により、自分が何に悩んでいるのかが明確になり、問題の全体像が見えてきます。
STEP3 悩みを緊急性で分け、低いものは捨てる
分類した悩みを、緊急性の高いものと低いものに分けます。緊急性の低い悩みは、思い切って捨ててしまいましょう。
ただ、捨てるといっても、ノートアプリにゴミ箱を書いて、このゴミ箱に悩みを移していきます。
こちらも視覚的に、「ゴミ箱に悩みを捨てたぞ!」と思えることで、心を軽くさせることに繋がります。
これにより、本当に取り組むべき問題に集中することができます。緊急性の判断基準は、「1週間以内に対処する必要があるか」「自分の力だけで解決できるか」などを考慮するとよいでしょう。
STEP4 緊急性の高いテーマについてロジックツリーを作成する
緊急性の高い悩みについては、ロジックツリーを活用します。
ロジックツリーの書き方
ロジックツリーは、1つの問題を木のように分けて考える方法です。大きなテーマを中心にして、その周りに関連する小さな要素を枝のように書き出します。これにより、問題の原因や解決策がわかりやすくなります。
STEP5 マインドマップで一覧にして持ち歩く
最後に、STEP4でロジックツリーに整理された悩みと解決策をマインドマップにまとめます。
iPadのマインドマップアプリを使用すると、簡単に作成できます。STEP4で作成したロジックツリーを、さらに視覚的にキレイにまとめられます。
また、解決した問題(トピック)は、一つずつ非表示にしていきます。こうすることで視覚的に「問題がひとつ解決されたんだ!」という実感を持つことができます。
この段階で、マインドマップを紙に印刷して持ち歩いても構いませんし、私がよくやる方法としては、画像にしてスマホに送信していつでも見れるようにしています。
以上が、iPadを使った思考整理術の手順です。いかがでしたか?
人は一度に色んな問題を抱えてしまうと、頭の中でそれらが複雑に結びついて、結果的に「頭の中がごちゃごちゃする」とか「頭の中がモヤモヤする」といったツラい状況に陥ってしまいます。
しかし、「書いて」吐き出して、「分けて」整理して、客観的に「見返す」ことができれば、目の前の優先すべき1つの問題に集中できるようになります。
頭の中だけで解決しようとしないことが、モヤモヤ解消への近道です。
では次に、「なぜノートではなく、iPadを使うのか?」という点についてもお話したいと思います。
\ 今回使ったマップ作成ツール /
なぜ紙ノートではなくiPadで整理するのか?
iPadを使って思考を整理する利点は、以下の3点にあります。
いつでも見返せることが重要
iPadは常に持ち歩くことができるため、いつでもどこでも自分の整理した思考を見返すことができます。電車の中や待ち時間など、ちょっとした隙間時間を利用して自分の悩みや解決策を確認できるのは大きなメリットです。
気軽に書き直しができる、何度失敗してもいい
紙のノートと違い、iPadでは簡単に内容を修正したり、レイアウトを変更したりすることができます。これにより、思考の整理を何度でもやり直すことができ、より良い整理方法を見つけやすくなります。失敗を恐れずに、自分に合った思考整理の方法を探ることができるのです。
悩みを視覚的に捨てたり、検索することができる
上述した、「【実例あり】iPad思考整理術で頭のモヤモヤを取り除く方法5STEP」のSTEP2~3で行った思考整理の方法は、紙では難しいです。
というのも、一度紙に書いてしまった内容を切ったり貼ったりして視覚的に移動させることは簡単ではないからです。
その点、iPadのノートアプリを使えば、一旦STEP1で書き出した悩みをまるっと選択して、移動したり消去したりすることも簡単にできます。視覚的に整理ができて、あとで検索することもできるので頭の中をイメージで整理することが捗ります。
iPad思考整理術の効果的な活用方法
iPad思考整理術を最大限に活用するためには、以下のポイントを意識しましょう。
定期的な見直しと更新
作成したマインドマップや整理した悩みのリストは、定期的に見直し、更新することが重要です。例えば、週に1回、自分の状況を振り返り、新たな悩みを追加したり、解決した問題を削除したりします。これにより、常に最新の状態を保ち、自分の成長や変化を実感することができます。
具体的なアクションプランの作成
悩みを整理し、解決策を見つけたら、具体的なアクションプランを立てましょう。「いつまでに」「何を」「どのように」するのかを明確にし、iPadのタスク管理アプリなどを使って記録します。これにより、思考の整理が単なる机上の空論ではなく、実際の行動につながります。
感情の記録
悩みや問題だけでなく、自分の感情も記録することをおすすめします。日々の気分の変化や、特定の出来事に対する感情的な反応を書き留めることで、自己理解が深まり、より効果的な思考の整理ができるようになります。
iPad思考整理術の応用:創造性の向上
iPad思考整理術は、悩みの解決だけでなく、創造性の向上にも役立ちます。
アイデアの発想と展開
マインドマップを使って、新しいアイデアを発想し、展開させることができます。中心にテーマを置き、そこから連想されるキーワードを次々と追加していくことで、思考の幅を広げることができます。iPadの特性を活かし、画像や動画、ウェブリンクなども組み込むことで、より豊かなアイデアマップを作成できます。
プロジェクト管理への応用
大きなプロジェクトや長期的な目標にも、iPad思考整理術を応用できます。プロジェクトの全体像をマインドマップで表現し、各タスクの詳細や進捗状況をノートアプリで管理します。これにより、複雑な情報を整理し、プロジェクトの進行を効率的に管理することができます。
まとめ:iPad思考整理術で頭の中を整理し、前向きな人生を
頭の中が整理できないことで悩んでいる人にとって、iPad思考整理術は大きな助けとなります。この方法を実践することで、以下のような効果が期待できます:
- 悩みの全体像を把握し、優先順位をつけられるようになる
- 具体的な解決策を見つけ、行動に移せるようになる
- 自己理解が深まり、感情のコントロールが上手くなる
- 創造性が向上し、新しいアイデアを生み出せるようになる
- 複雑なプロジェクトや長期的な目標を効率的に管理できるようになる
iPad思考整理術は、単なる悩み解決の手段ではありません。これは、自分自身と向き合い、成長するための強力なツールです。頭の中を整理することで、より明確な思考と前向きな姿勢を手に入れることができるのです。
あなたも今日から、iPadを使って頭の中を整理してみませんか?きっと、新しい自分との出会いがあるはずです。
\ 今回使ったマップ作成ツール /
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