iPadで勉強しようと考えたものの、電子媒体で勉強するのは頭に定着しないという情報が巷に溢れていたり、iPadでどう勉強するのかイメージがわかなくてipad購入を躊躇していませんか。
私自身、紙の煩わしさから解放されたいとiPadで勉強することを望んではいましたが、高額なiPad購入を目の前にして「本当にiPadで勉強って頭に残るの?結果は出るの?」と悩み購入に踏み切れない時期が長く続いていました。
それでも、iPadによる勉強に踏み切って、4ヶ月ほどでFP2級に合格することができました。
今では、勉強や読書、日記に至るまですべてをiPadに集約しています。
そこで、私が勉強をiPadで勉強する方法に変えても、短期間で結果が出せた体験談とiPadを使って頭に定着させる上で効率的な勉強方法を考察してみたいと思います。iPad購入の参考になれば幸いです。
iPad購入を躊躇していた3つのデメリット
①電子媒体での勉強は記憶に定着しにくそう
私が購入に躊躇していた一番の理由がコレです。
テレビや記事などで、電子媒体による「記憶力の定着率の低さ」を示す結果をよく目にしていました。確かに、下記の研究によれば、紙よりもiPadの方が正答率が低い傾向があります。
評価項目 | iPad | 紙 |
---|---|---|
主観的読みやすさ | ◎ | ◎ |
文字表示の鮮明さ | ◎ | ○ |
ページめくりのしやすさ | ◎ | ○ |
読書時の疲労 | △ | ○ |
集中しやすさ | ○ | ◎ |
説明的文章の読み速度 | △ | ○ |
逐語的記憶 | △ | ○ |
文章理解 | ○ | ◎ |
<参照文献:表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響 – 情報学広場、小林亮太、池内淳>
ただし、著者は考察で、「紙と電子媒体との読み慣れの差」についても言及しています。
実際、慣れればiPadでも読みやすいと感じるようにはなりますし、私にとっては持ち運びが楽になることで勉強をどこでもできるようになり反復学習することでこのデメリットを補うことができると今では考えています。
また、人間の理解力という点で言えば、「画像的な理解」が得意なタイプの人と「言語的な理解」が得意なタイプの人の2パターンがいます。ある研究では、下記のように述べられています。
この実験で興味深いのは、人によって画像メモの力や使い方に差があり、「映像的に記憶に残すタイプの人はデジタルデバイスでもよく、そうでない人は紙が向いている」という点だ。
そのペーパーレス、本当に正解? 脳科学で解き明かす「紙とデジタルの知的生産性」/日経BizGate
「画像的な理解」とは、映像的に記憶に残すことであり、逆に言語情報を元に記憶に残すのが「言語的な理解」ということになります。
スマホやパソコンに慣れている最近の若者には、「画像的な理解」が得意なタイプが増えてきているでしょう。
引用した研究では、あくまで、紙よりもiPadの方が正答率が低い傾向はあるものの、「画像的な理解」が得意な人は紙でもタブレットでも差はないが、「言語的な理解」が得意な人は紙の資料の方が好ましいと結論が述べられています。
つまり、「画像的な理解」が得意な人であれば、紙でもタブレットでも大差ないので、iPadを使って勉強するからといって必ずしも「記憶力の下がる」ということは一概には言えないということを示しています。
②バッテリー持ちが悪そう
懸念していたもう一つのデメリットに、バッテリー持ちがあります。
勉強したいと思ったときにそもそも電池がないという悲劇。これを恐れていました。
確かに、紙であれば電池は気にしなくていい。ですが、iPadでは話が別です。充電する手間もあります。
しかし、機種や使用用途にもよりますが私が今使用しているiPad Air M2(2024)では、公称値で最大10時間あります。
私の場合、よくカフェでWebスクールの講義動画を視聴しながら、ノートアプリを開いて書き込みしていますが大体3時間ぐらい使用して50%位になる感じでした。勉強時間が10時間を超えるとさすがに充電なしではキツイですが、私の用途であれば充電器を持ち歩かなくても十分用途に耐えてくれています。
③そもそもiPadが高額
単純にして、明快なデメリット。
iPadが高額なため、購入して勉強が続かなかったらお金の無駄遣いになってしまうと感じてなかなか踏み切れずにいました。
確かに高額なiPadですが、これらのデメリットを補って余りある3つのメリットがあると今では確信しています。
短期間でも結果を出せた3つのメリット
①身軽になっていつでもどこでも勉強ができるようになった
私にとって大きなメリットに、「iPad一つで全てが揃うこと」があります。これが一番大きい。
頭に定着させる上で、一番重要なのは繰り返すこと。そして、繰り返す上で一番重要なのは続けることです。たくさんの本やノート、文房具…たくさんの道具を持ち出す煩わしさから続けることを諦めない。これが重要です。
もちろん、本やノートも触った感じや書く感触など好きではありますが、こと勉強となると、つづけないといけないので、ここら辺は道具を使い分けています。緑の中で読書なら、紙の本が雰囲気あっていいですけどね。
②視覚・触覚・聴覚の感覚をフル活用して記憶の定着を図れる
記憶への定着は、視覚、聴覚、触覚の感覚を使うことが近道だと言われています。
iPadは、これひとつで全てをやってのけてくれます。iPadで音読させる<聴覚>、書く<触覚>、見る<視覚>を事が可能です。逆に本では、聴覚は使えない。
あとで、「【実体験】記憶に残るおすすめiPad勉強法3選」にて詳しく紹介しますが、紙の勉強ではできない“聴覚”を使った勉強法もあります。iPadでは、アプリを使うことで講義の内容を録音してそれをあとで聞き直すこともできたり、私はそれに加えて聞きながら声に出して覚えるシャドウイングという方法も使って感覚をフル活用し、記憶の定着を図っています。
③本への書き込みに対する心理的ハードルが下がる
iPadで勉強すると、“書き込み”に対する心理的ハードルがとても下がります。
どういうことかというと、私の場合、紙の本に書き込みするというのは少し気が引けました。
というのも、紙の本に書き込みしてしまうと後で元に戻せなくなります。色ペンを使って線を引いたり、メモをしたりすると消せなくなります。今ではフリクションや消せるペンもありますが、キレイに消えなかったり、間違って書き込んだ内容を消すのに手間取ります。
この点、iPadであればPDFに書き込みを行うので元のデータさえあれば、何度でもやり直しが効きます。消すこともワンタップでキレイに消すことができます。「やり直しが効くんだ!」と考えられるようになったことで、躊躇なく本に書き込みができるようになり、結果的に勉強に対する心理的なハードルも下がりました。
このメリットは、人によるかもしれませんが私にとっては結構重要なポイントでした。
iPadでの勉強はどんなタイプの人におすすめか?
実際にiPad勉強を始めてみて、iPad勉強がおすすめのタイプの人がいることに気づきました。
下記の特徴がある人です。
- とにかく荷物から解放されたい人
- 電子機器を使うことが苦手ではない人
- iPadを使う用途を限定できる人
以下、ひとつずつ見ていきましょう。
・とにかく荷物から解放されたい人
まず、いわゆるミニマリストという分類の人はおすすめできます。iPadであれば、紙のテキストやノートでは実現できないオールインワンの身軽さを実現できます。身軽になれば、いつでもどこでも勉強することが容易になるので反復学習による記憶の定着を狙えます。継続は力なりというヤツです。
・電子機器を見たり使うのが苦ではない人
そもそも、iPadやスマホなどの電子機器を扱うのが得意でなかったり好きではない人はあまりおすすめできません。どうしても紙の本より目は疲れますし、機器を触るのが苦手な人は使うことにしんどくなってしまい勉強を継続できないかもしれません。
・iPadを使う用途を限定できる人
iPadはなんでもできてしまいます。これは、メリットでもありデメリットでもある。どういうことかというと、勉強する上で集中力を削いでしまうアプリもたくさんあるのです。例えばYoutube、勉強中にも見ようと思えば見れてしまいます。これでは本末転倒だということで、私の場合はiPadが届いた時点で集中力を削ぐような不要なアプリをすべて消去しました。
以上のように、荷物を減らしてiPadひとつを持ち出し、いつでもどこでも勉強できるようになりたいと考えている人にとってはiPad勉強法は非常におすすめです。
逆に、電子機器は得意じゃないと感じる人や、iPadの中にある様々な誘惑アプリを消すといったことができそうにないなと感じる人には少し不向きかもしれません。自分はどんなタイプかをじっくり考えてみてください。
【実体験】記憶に残るおすすめiPad勉強法3選
①(手で書く)Kindle本をスクショでPDF化して書き込み勉強法
私は、勉強であれ、読書であれ、感じたことや考えたことをとにかく何でもPDFに書き込みするようにしています。
<2.短期間でも結果を出せた3つのメリット>でも述べましたが、iPadのPDFへの書き込みであれば本やテキストへの書き込みに対する心理的ハードルが下がることで「とにかく書こう!」という意識が定着し、勉強に対する習慣が作りやすくなります。手を動かすことで記憶への定着も図れます。
ただし、PDF化して書き込み勉強をする上で、注意点が2つあります。
まず、Kindle本はKindleアプリからは現状では書き込みできません。Kindle本を一旦スクリーンショットをとって、それを元にPDF化するという作業が必要になります。一枚一枚スクショを撮影するということは非常に手間なので、自動化できないかとあれこれ考えていた際に下記の方の記事を見つけました。
私は、下記の記事の手順でスクショからのPDF化を自動化しています。
良ければ参考にしてみてください。
また、個人利用に限られるということ。当たり前ですが、本には著作権があるため、Kindleで購入した本をスクリーンショットを取って個人利用で使用することに問題はありません。
私もAmazonカスタマーサービスに問い合わせて、「個人利用であればスクリーンショットをとって利用することはOK」と確認を取りました。しかし、二次利用厳禁です。第三者に配布したりということは著作権で禁止されています。ここは注意しておきましょう。
②(耳で聞く)講義を録音→聞いて→シャドーイング勉強法
意外に暗記の役にたったなと感じた勉強法のひとつに講義内容の録音、それをウォーキング中や通勤中の車内で繰り返し聞いて、かつ、自分の口から発話するという作業を繰り返していました。
耳からの勉強で便利なことは、いつでも勉強ができるようになったこと。
これは、今まで紙の本であればなかなかできないことの一つでした。ながら勉強にはなりますが、単純に暗記したいことや記憶に定着させたいことは体を動かしながら空き時間を有効活用するうえで非常に便利だなと感じています。
少し発展させて、講義内容などの要点をまとめたものを、AIボイスで代わりにしゃべってもらったものを音声でダウンロードしてそれを繰り返し聞き、シャドウイングするといった勉強方法も行っています。詳しくは下記の記事をご参考ください。
③(思考整理)AIマインドマップで勉強テーマや思考を一瞬で整理する勉強法
勉強するときにインプットと共に欠かせないのが、思考のアウトプットです。
しかし、普段から慣れていないと勉強したテーマに沿った自分の考えをアウトプットするって結構難しいです。
そこで、私が活用したのが「勉強しているテーマ」を入力することでテーマに関連する思考をAIが一瞬でマインドマップに書き出してくれるというマインドマップアプリ。
「え?それって自分でアウトプットできてないじゃん」とお思いでしょう。確かに、思考整理の取っ掛かりをAIに任せているのですが、自分の思考・勉強のアウトプットはここからです。
では、私が実際にどういう手順で思考の整理とアウトプットを行っているかを図解でご説明します。
お分かりいただけましたでしょうか。
慣れてくればAIに頼らずとも自分で一から思考整理をすることができるかもしれませんが、私はアウトプットが苦手なのでその取っ掛かり部分を自動化することで、勉強した内容をマインドマップで関連付けて記憶を促進することができました。思考整理が苦手な方はぜひお試しください。
まとめ
私は、iPadを購入してから約4ヶ月で一からFP2級に合格することができました。
また、その経験を活かして、今度は簿記取得と転職にチャレンジしています。「iPadをもっと早く買っておけばよかった」と、今になっては後悔しています。
高額な投資にはなりますが、この値段は安かったと感じています。
それでも、iPad勉強法にチャレンジする前は高額に思えて躊躇した時期がありました。もっと早く買っていれば良かった・・・この一言に尽きます。頭に定着しないという巷の噂を信じていましたが、要は使い用だと思いました。
高い自己投資に思えるかもしれませんが、使いようによっては元はすぐに取り返せます。いち早く取り組んで人生を変えましょう。
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